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新しいチーズにチャレンジ!その時なにを選ぶ?コラム

vol.31

2013年3月26日

 普段何気なく食べているチーズですが、実は昭和50年代くらいまではプロセスチーズが主流で、ナチュラルチーズがより持て囃されるようになったのは昭和60年代以降のことです。今ではスーパーや食料品店に行くと色んなものが売られており、迷ってしまいそう。そこでまず8タイプのチーズについて紹介しておくことにしましょう。


<ナチュラルチーズ>
◆フレッシュチーズ
熟成させない、くせのないチーズで、モッツアレラやマスカルポーネ、クリームチーズなどがあります。

◆白カビチーズ
白カビを表面に繁殖させて熟成させるチーズです。 中はクリーム色で、熟成が進むにつれて柔らかくなり、とろりと流れ出すほどになり、表皮には赤茶色の斑点が出てきます。カマンベールやブリーなどがそれにあたります。

◆青カビチーズ
白カビと同じくカビを使いますが、青カビのほうはチーズの中の方から熟成していきます。青カビは熟成のために空気が必要なので、堅めて水を切ったカードに青カビをまぶし、チーズの形を作ります。こうすると内部に不定型な隙間ができ、青カビはその隙間にそって繁殖します。切り口はちょうど大理石のような模様になり強い風味と塩味を持ちます。ゴルゴンゾーラやロックフォール、スティルトンなどがその代表です。

◆ウォッシュチーズ
チーズの表面についている分解力が強い菌で熟成させるので、強烈な匂いのために熟成中は数日ごとに表面を塩水やワイン、ビール、ブランデーなどその土地の酒で洗います。中は非常にマイルドなチーズですが、匂いが強いものが多いため、通向きのチーズと言えます。ラミ・デュ・シャンベルタン、エポワスなどがあります。

◆シェーブルチーズ
シェーブルはフランス語で山羊のこと。その名の通り山羊の乳で作られたチーズで、牛乳のチーズより古い歴史があると言われています。柔らかくて山羊特有の風味は、苦手とする初心者も多くいます。反面、病みつきになる人も多いとか。ヴァランセ、クロタンなどがそれにあたります。

◆セミハードチーズ
チーズを作る工程でプレスして、水分を38〜46%と減らした、比較的硬い(半硬質)保存性の高いチーズです。日本でもおなじみのチーズで、クセがなくて食べやすいため初心者にオススメ。ゴーダー、サムソンなどがそれです。

◆ハードチーズ
製造過程で水分を38%以下にまで減らしたもので、1個が20kg〜130kgもあるチーズです。熟成期間もセミハードタイプより長く、6〜10ヵ月ぐらいじっくりと寝かせるので非常に硬質で、濃厚な旨みのあるチーズになります。エメンタール、パルミジャーノレッジャーノ、グリュイエールなどがハードチーズと呼ばれているものです。

<プロセスチーズ>
◆プロセスチーズ
ナチュラルチーズを1種類または数種類混ぜて加熱・加工したものです。ナチュラルチーズに含まれていた乳酸菌やカビなどはこの時点で死ぬので、封を開けなければ味が変化せず、保存性に優れています。スライスチーズなどがそうです。

これらのチーズを知ったところで、いったいどんなチーズを選べばいいのでしょうか?そこでその道のプロ・佐藤優子さんに話を聞いてきました。佐藤さんはチーズプロフェッショナル協会理事で、フランスチーズ鑑評騎士の称号を持っている人です。

佐藤 「チーズをあまり食べない人には、白カビタイプのクリーミーなものよりは、ハードタイプのグリュイエールの半年以上熟成したもののほうがいいでしょう。その他にはパルミジャーノ・レッジャーノの小さな塊をかじってみてはどうでしょう。もし給食時のプロセスチーズのイメージが強く残っており、その匂いや歯応えが苦手になってしまっているなら、歯応えがあり、旨みに富んだものがオススメです。パルミジャーノ・レッジャーノは、よく粉チーズのパルメザンチーズと間違えられますが、全くの別物。独特の歯応えと、噛み締める度に出てくる旨みを楽しむのがいいですね。また、最近はプロセスチーズにもナチュラルチーズの歯応えや味わいをうまく真似たものが出ているので、それを試してみるのもいいかもしれません。一方で、国産のカマンベールなどを普通に食べているという中級者向けには、無殺菌牛乳を使ってフランスのノルマンディー地方で造られたものしか名乗れないカマンベール・ド・ノルマンディや、同じく厳しい原料や製造基準のあるイタリアのパルミジャーノ・レッジャーノ、ゴルゴンゾーラ、カンパニア州の水牛のミルクで作った本物のモッツァレラチーズなどの本格派がいいのでは?特にモッツァレラチーズは、手頃な値段で売られているものとはひと味もふた味も違います。今なら百貨店のチーズ売り場や、大きなチーズ専門店なら取り扱いもあるでしょう。ヨーロッパの厳しい基準を守って、本来の地域に根ざした原料を使って、昔と同じ作り方にこだわった本家本元のチーズの味を知ってもらいたいですね」。

 ところで、チーズを買ったのはいいが、一度に食べ切ることはなく、気が付いたら冷蔵庫の隅に残ってしまっているという経験も多いのではないでしょうか。その質問に対して佐藤さんはこんなことを教えてくれました。
 佐藤「本来は食べきれる量をその都度買うのが一番いいのですが・・・。どうしても残ってしまったという人は、乳酸菌のことを考えて保存するようにしてください。一般的には、よくチルド室に保存されるようですが、ナチュラルチーズは乳酸菌などが生きているので、それらが活躍しやすい温度帯で保存するのが一番です。冷蔵庫なら、0℃近いチルド室よりは野菜室の方がいいでしょう。チーズは乾燥することが大敵です。乾燥を防止するためにラップでピッタリと包んで保存袋や密閉容器に入れてください。その際、一度濡らして堅く絞ったペーパータオルなどをいっしょに入れておくのもいいでしょう。但し、そのペーパータオルでチーズを包んだりはしないように。そして、青カビタイプは特に他のチーズに青カビが移りやすくなるので、別にしておく方がいいでしょうね。うっかり何もかもいっしょに保存袋に入れると、次に開けた時には一面に青カビだらけになることもあるので注意してください」。

佐藤さんの指摘を守ってもまだ食べきれそうにないなと思った時は、長い期間保存せずに今回のレシピにチャレンジしてみてください!

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