サントリー レシピッタ -あなたにぴったり、お酒に合うかんたんレシピ-

コラムひとつの食材アレンジ特集

パプリカ・ピーマン

vol.47

2016年8月16日

夏が旬の野菜といえば、トマト・なす・ズッキーニ・とうもろこしなどなど沢山あります。中でも今回は、その鮮やかな色が目をひくパプリカとピーマンを取り上げます。
パプリカ、ピーマンはともに唐辛子の仲間ですが、辛みのない野菜です。ピーマンは明治時代に日本へ入ってきた後、戦後あたりから一般の食卓へと広がっていったので、なじみ深い野菜のひとつではないでしょうか。片や、パプリカは1993年にオランダからの輸入が解禁されて以降、普及した野菜です。しかしながら、パプリカは年中スーパーに出回っていたり、西洋料理や中華料理などでもよく使われているため、歴史が浅いわりにはおなじみの野菜として普及しています。

ピーマンは未熟果を摘み取っているので鮮やかな緑色をしています。一般的には、皮にハリとツヤがあるものが新鮮とされており、栄養的にはビタミンCの含有量が多いことで知られています。ビタミンCは疲労回復や肌荒れ防止などに作用する栄養素です。その他には、油との相性がいいカロテンやカリウムも多く含まれています。また、最近注目されているのがピラジンという成分。これは血液をサラサラにする作用があるそうで、血栓や血液凝固を防ぎ、心筋梗塞や脳梗塞の予防にも効果があるといわれています。ピーマンは年中出回っている野菜ですが、やはり旬は夏場の6〜9月頃。すっきりとした苦味とシャキシャキした食感は、爽やかな清涼感を与えてくれる野菜でもあるのです。
ピーマンといえば、かつては子供が嫌いな野菜の代表格でしたが、現在では改良が重ねられて苦みを抑えた品種も多く出回るようになり、苦手な子供が少なくなっているのだそうです。

その甘みが特徴のパプリカは、国産の露地ものの場合、6〜9月頃が旬です。ですが、一般的には韓国やオランダからの輸入ものが年中多く出回っているため、特に旬を感じることはないかもしれません。
このコーナーで毎回レシピ提案をしている増田智子さんは、野菜ソムリエとして活躍している人。そんな増田さんに新鮮なパプリカの見分け方を教えてもらいました。「パプリカは皮にツヤとハリがあって色鮮やかなものが新鮮です。ヘタの切り口が瑞々しく、しなびていないものを選んでください」とのこと。これはパプリカのみならず、ピーマンの新鮮な選び方とも共通するようです。
焼く・炒める・煮るなど色んな調理法があるピーマンに比べると、パプリカはサラダに入れるなど、どうしてもレパートリーが偏ってしまいがち。「皮を焼いてはがし、柔らかい果肉をミキサーにかけ、牛乳などで延ばせばスープやジュース、ムースに使えます。こうすることでパプリカの甘みを存分に引き出すことができます。定番のサラダの場合、縦に切るか横に切るかでその食感が変わります。また、パプリカはマリネやピクルスにオススメの食材です。酢で漬けても鮮やかな色は変色しにくいですし、肉厚なので食べ応えもあります」と増田さんは話していました。その他にも炒め物や生春巻きなどの彩りにも使えるのだそうです。

前述したように、ピーマンにはビタミンCが多く含まれていますが、パプリカはその倍以上ものビタミンC含有量があります。また、パプリカは赤・黄・オレンジ・紫など様々な色がありますが、その色によって栄養成分が違います。赤色は唐辛子の成分でもあるカプサイシンが含まれており、赤・オレンジ色のパプリカは黄色のものよりも、ビタミンCやカロテンの含有量が多いそうです。
そんなパプリカの正しい保存方法を増田さんに聞くと、「保存袋などに入っている場合はそのまま冷蔵庫の野菜室へ入れてください。袋に入っていない場合はラップに包むこと。パプリカ(ピーマンも)は水気を嫌います。ヘタなどに水分が残っている状態で保存をすると、カビが生えることもあるので、水分を拭き取ってから保存してください」との話でした。
今回も手軽ながらもアイディア溢れるレシピが揃っています。パプリカ・ピーマンをいつもとは違う調理法で楽しんでみてはいかがでしょうか。