コラム編集部のいちおし特集
フライパンひとつで、定番中華レシピ
vol.28
2012年10月19日
共稼ぎが当たり前になったからか、それとも時間に追われている人が増えたからかわかりませんが、このところ簡単レシピの需要が高まっています。書店を覗けば、“三行レシピ”とか“5分で作れる”“あえるだけ”などのキーワードがついた料理本が沢山並んでいます。手間を省くという意味では「フライパンひとつで」というのも人気のアイテム。作る手順が少なく、しかも洗い物があまり出なければ、忙しい主婦にとってこれほどありがたいことはありません。
そんなニーズをふまえて今回の特集でも「フライパンひとつでできる」メニューを掲載することにしました。今回は定番中華をフライパン1個あればできるようにと考えています。中華料理というと、中華鍋が必需品ですが、これは扱いが大変。中華鍋ひとつあれば、炒める、蒸す、揚げるなど何でもできるのですが、調理時は重いし、収納もしにくいしと使いづらい器具でもあるのです。今回は中華鍋をフライパンで代用し、定番中華をできるだけ簡単にしてみました。フライパンは便利な調理器具で、これひとつあれば、焼く、炒める、茹でる、揚げる、蒸すと何でも可能。最近はオシャレなデザインを施したものが出回っていますのでフライパンを皿代わりにして食卓へ出してもいいでしょうね。20〜27pぐらいのものを2〜3種類揃えておくと、色んな料理に対応できます。中には中華鍋風のフライパンまであり、普通のフライパンより深くて底部分が丸くなっているのが特徴。チャーハンや汁物を作る時には便利そうですね。
近頃はフッ素樹脂加工のフライパンが当たり前になっています。これを使うとくっつきにくいので、油の量も少なくて済みます。意外にもフッ素加工のフライパンは昔からあるようで、できたのはなんと1938年。フランスのデュポン社が開発したのが始まりです。表面に水滴を落としたら形を崩さず、転がっていくのが特性で、耐熱焼性があり、できあがった料理も焼きついてしまわないという利点があります。できれば、これにシリコンのターナー(フライ返し)があればいいのではないでしょうか。ステンレスのターナーは、フッ素樹脂加工を傷つける恐れがあります。その点、シリコン製だと柔らかく、高温にも耐えることが―。しかも赤やピンク、緑と色んな色のものがあるので何となくオシャレなイメージを持ちながら調理することもできます。
ところで私はフライパンを用いて枝豆を調理することがよくあります。枝豆といえば茹でるのが一般的ですが、枝豆に塩を振り、フライパンに載せて焼くだけでも十分同様のものが仕上がるんですよ。茹でると、旨みが逃げてしまうのですが、この方法だとさやの中で蒸される状態になり、旨みが濃厚に。むしろ茹でるより美味しいかもしれません。
このように少し常識を破ってみるのも調理の方法。クッキングシートを敷いて焼けば焼魚だってフライパンでできますし、パンやケーキ、ピザなども調理が可能です。手間を省くだけではなく、一般的な調理の概念を払拭してしまい、フライパンを使うのも面白いのではないでしょうか。