サントリー レシピッタ -あなたにぴったり、お酒に合うかんたんレシピ-

コラム編集部のいちおし特集

木の実を使って料理を作りましょ

vol.46

2015年10月23日

■ナッツとウイスキーのマリアージュを楽しみたい
木の実は、読んで字の如く木になる果実を指します。栗やどんぐりはその代表例で森の恵みとして昔から人類は食していたそうです。農耕が始まる以前から密接な食材で、狩猟と同時にそれ(木の実)を採っては食していたのです。

 一口に木の実といってもそのカテゴリーは広く、秋の味覚と呼ばれる栗もあれば、アーモンド、くるみ、カシューナッツ、ピスタチオとおつまみ系ナッツ類も沢山あり、挙げればきりがありません。そもそもナッツ類は、乾き物としてバーなどでお酒のアテに出ることが多く、ウイスキーやビールに合うのは今さら説明しなくてもいいくらい。特に今回のレシピにもあるキャラメリゼしたミックスナッツは、これまでもウイスキーやブランデーと合わせて食した人も多いのではないでしょうか。今回の「ミックスナッツのキャラメリゼ」では、ナッツの香ばしさがキャラメルの甘さに負けぬよう、あえてコーティングを薄めにして仕上げています。調理に使うナッツは、コンビニやスーパーで売っているもので十分。むしろほんのり塩分を利かせたいので、無塩のものよりもおつまみとして売っている既製品の方がいいのです。仮りに無塩のナッツが手元にあり、それを使いたい場合は、ひとつまみ塩を加えてから調理することをお薦めします。「ミックスナッツのキャラメリゼ」は、お酒のつまみだけではなく、スイーツにも使えます。簡単なものでは、アイスクリームやケーキのトッピングに。その際はナッツの量を100gぐらいにした方がいいでしょう。

  いつもならおつまみとして食しているピスタチオも「オイルサーディンのピスタチオパン粉焼き」のようにすれば、十分料理に使える素材に。チーズパン粉焼きや香草パン粉焼きのように、パン粉に何かを載せて焼くレシピはありますが、今回は木の実がテーマだったのであえてピスタチオを使用することにしました。ピスタチオは、コンビニやスーパーで手軽に入手できるおつまみ用で十分。みしろ先のミックスナッツ同様、その方が塩分があって美味しく仕上がります。パン粉に載せて焼いたピスタチオは、カリカリして食感も抜群。にんにくや粉チーズ、マスタードなどの風味が加わり、オイルサーディンの旨みを引き立ててくれます。

  前述したようにナッツ類は、殊にウイスキーには合います。薄味のおつまみだとどうしてもウイスキーの味に負けてしまうので適度な甘じょっぱさがあり、油分を含むナッツが好相性なのです。また、くるみのように苦みがあるものもコクのあるウイスキーにはフィット。塩分、甘み、苦みとどれを取っても合うのですからこれほどのマリアージュはないかもしれません。

 
■秋の味覚・栗にこだわって調理を                 
  一方、栗はナッツとは趣を異にした木の実。栗ごはんや栗おこわなどご飯に合わせてもいいですし、栗羊羹やマロングラッセなどスイーツの素材としてもよく用いられています。栗といえば、丹波といわれるように京都や兵庫の丹波地方が代表的産地ですが、それを表すべく丹波市のスーパーでは秋になると、栗むき器が当たり前のように売られています。丹波栗は昔からブランドで、平安初期には丹波地方で栽培されていました。献上品として都に運ばれることもしばしば。江戸時代には年貢の代わりに収められていたそうです。この地で採れる栗は、肉質が締まり、渋皮がはがれにくい傾向にあり、調理しても煮崩れしないから重宝がられています。ただ近年では、丹波栗は高級ブランド品。おいそれと食卓に並べることができないと聞きます。その代りといっては何ですが、入手しやすく、値段も丹波栗ほど高くないのが韓国栗。こちらは日本栗とほぼ同じ品種で、甘露煮の栗によく用いられています。人によれば韓国産の方が皮離れがよく、貯蔵性が高いからいいという意見もあるようです。

  今回は栗を使って「栗ごはん」を作ってみました。ごくスタンダードなレシピを掲載していますので初めて炊くという人にもいいかもしれません。シンプル・イズ・ベスト_、そんな言葉がふさわしいレシピになっています。その他、栗の唐揚げや栗のかき揚げも面白い栗料理。特にいつものかき揚げに角切りの栗を混ぜて揚げると、その甘みがアクセントになって美味しくなります。蛇足ですが、かき揚げについては柿を用いるのも手。栗同様、果実の甘みが加わってより美味しく味わえるはずです。