コラム編集部のいちおし特集
風が冷たいから、今夜はほっこり鍋料理
vol.47
2015年11月19日
■流行の鍋をいち早く自宅で
冬の定番といえば、鍋料理。作りやすくて身体が芯から温まる鍋は、ひと冬に何度も登場するはずで、好きな人は連日でもかまわないと注文するようです。ところが、大半の鍋は、水炊きや寄せ鍋系が多く、それでは続くと同じような味になってしまいます。そこで今回は、世界の鍋よろしく、色んなスープや具材が楽しめる4つのパターンを紹介することにしました。
水炊きバージョンを少しアレンジしたのは、水餃子鍋。餃子を入れる点が中華風ですし、普通ならポン酢で食べるところを食べるラー油を加えて一風変わった味わいのものにしています。一般のラー油より辛さを若干抑えた食べるラー油は、それほど辛くないので、たっぷり入れて味わってください。初めはポン酢だけで味わい、途中から食べるラー油を加えて味の変化を楽しむのもいいでしょう。食べるラー油は、ポン酢に入れてしまわずに具材に載せて、それからポン酢に漬ける食べ方で味わうのがいいでしょう。
扁炉(ピェンロー)鍋は、最近徐々に人気が出てきた料理。そもそもピェンローとは、中国で鍋料理そのものを指すのですが、日本で流行しているそれは、本場のものとは違って日本風にアレンジしたもののようです。干ししいたけで摂っただしに、たっぷりの白菜と豚肉、鶏肉、春雨のみを加え、白菜がトロトロになるまで煮込みます。一説では、この具材以外を入れるのは邪道らしく、そこから出たスープを楽しむのがこの鍋のポイントだそうです。白菜は初めにたっぷり入れること。調味料は加えず、具材の旨みが凝縮したスープを、取り分けた時に各自で塩、一味唐辛子で調味するのがルール。スープが美味しいからといって飲み干して鍋になくなってしまうとNG。扁炉鍋は、締めが旨いといわれているので、ぜひともスープを残しておきましょう。締めはラーメン、もしくはご飯を入れて雑炊にするのがいいのではないでしょうか。
■昨冬に続き、この冬もチェンジ鍋?
ところで、鍋といえば白菜はつきものですが、その購入金額ベスト3がどこかご存じでしょうか。2012年総務省の一世帯当たりの家計調査によると、1位が大阪市で1948円、2位が神戸市で1745円、3位が京都市で1525円。全国平均が1222円なので関西の三大都市はそれを大きく上回っていることになります。なぜ関西の三都が白菜を多く消費するのかというと、やはり関西人は鍋好きなようで、夏でもそれを食す人もいるくらいだから。それに鍋自体の種類も関西には沢山あるからでしょう。白菜は量があるわりに安く、栄養価もあるので、節約志向の関西人にはぴったりな食材かもしれません。
元来、関西人は水炊き好きとしても知られます。具の主役をふぐにしたり、皮ハギにしたり、牛肉、豚肉、鶏肉、魚介類と替えることができる水炊き系は、連日でも食べやすいようで、鍋もバリエーションも広がります。その上、ポン酢の消費量は西日本が高いために自ずと多くなってしまうようです。ちなみにポン酢はオランダ語で柑橘を指すポンスが語源。スダチが徳島、カボスが大分と、西国の産物を絞ってポン酢醤油にしていたので、西日本の食文化として広まったのです。
昨冬ぐらいからやたらと脚光を浴び始めたのがチェンジ鍋。これは食べ始めと途中からが異なる味わいを楽しめる、いわば二種鍋。それがひとつの鍋でできるのですから流行るのもわかります。某調味料メーカーが、チェンジ鍋のつゆを発売すると、瞬く間に売れてしまい、生産量が追いつかなかったというくらいですから、その凄さがわかってもらえるはず。例えば、鶏ガラの塩ベースを途中から辛い坦々スープに替えたり、ちゃんこ風のものが白湯になったり、コンソメ味がカレーを入れることでカレー鍋と変化したりと様々なパターンがあります。おわかりでしょうが、初めは薄い味のものにし、途中から別の調味料を加えることで濃いスープに替わるというのが、チェンジ鍋の基本。昨冬流行ったからといってすぐには消えると思えませんので、まだ味わったことがないという人は、ぜひこの冬にスープの変化を楽しみながら食してみてはいかがでしょう。