日頃からデトックス効果を考えて献立づくりをコラム
vol.36
2014年3月3日
■肝機能をアップしてデトックス効果を高める
デトックスとは解毒のことで、デトックス料理とは、それを食べることによって体内から毒素や老廃物を取り除く効果が期待できるものを指します。人は毒素が溜まると、疲れやすくなってしまい、ひいてはむくみや肩こりが起こったり、冷え性や老化現象、生活習慣病を招いてしまいます。毒素が体内に溜まる原因としては、運動不足やバランスの悪い食生活が挙げられ、ストレスも心の毒という意味ではひとつの要因になるそうです。元来、人の身体には毒素や老廃物を処理して体外に排出する機能が備わっているのですが、前述のような原因が重なってくると、処理し切れずに体内に溜めてしまいます。
それらを外に排出するためには、肝機能を良くすることが大切。肝臓は解毒作用や有害物質を分解し、排出する役目があるので、一にも二にも肝機能を高めることを心がけるべきです。今回「アボカドと豆腐の岩のりソース」に使用したアボカドは、肝機能を高めるグルタチオンが豊富。さらに悪玉コレステロールを下げるオレイン酸や腸内で余分な水分、老廃物を取って外に出す食物繊維も多く含んでいます。体内の余分な水分やナトリウムを体外に出す作用を持っているカリウムも含んでいるので、まさにデトックス効果が期待できる食材といえるでしょう。
■玄米はデトックスの優等生的食材
デトックスを行うためには、肝機能を良くする他にも抗酸化作用のある食品を摂ることが大切です。それにあたるのが今回のレシピの中では、玉ねぎと赤ワインです。アボカドのところでも述べたように食物繊維やカリウムも不可欠。前者には豆類や緑黄色野菜、玄米、根菜が該当しますし、後者にはプルーンがその役目を果たしてくれます。
今回紹介した4つのレシピの中でも「玄米と彩り野菜のライスサラダ」に使用した玄米は、ことデトックス効果という点ではスグレもの。ビタミンやミネラル、食物繊維がたっぷり含まれており、フィチン酸なる排泄作用を持つ物質も入っています。ちなみにフィチン酸は、毒素と結合して排出するといわれ、デトックス効果が高いものとして知られています。ただ、デトックス効果も高いのは事実ですが、数年間に亘り、毎日玄米を食べ続けていると、身体にいいものも落としてしまうそうなのでその点を留意して調理していきましょう。
その他、今回のレシピに使った素材でデトックス効果が期待できるものを記しておきます。昆布に含まれるアルギン酸は、脂肪や糖の吸収を穏やかにして余分なものを外に出してくれる役目を果たします。豆腐は食物繊維を多く含んでおり、腸内で余分なコレステロールを吸収して排出させます。ごぼう、れんこん、かぼちゃ、干ししいたけ、緑黄色野菜も食物繊維が沢山あり、身体の中で最も毒素が溜まりやすい腸をきれいにしてくれます。酢は利尿作用があるために溜まっていた老廃物を尿として外に排泄するのに役立ちます。それに酸性になった身体をアルカリ性に変えてくれるため疲労回復も期待できるのです。
長い冬を過ごした身体は、運動不足や発汗不足も加わっていささか毒素が溜まり気味かもしれません。今回のレシピのようにデトックス効果が期待できる食材を使って献立を考えてみるのもいいのではないでしょうか。