蒸し料理のコツとアレンジコラム
vol.16
2010年9月29日
最近はトレンドとなるような料理が出つくした感があり、「コレが流行ですよ」と示されたところで何となく疑問符がついてしまいます。そんな中でも静かなブームを呼んでいるのが蒸し料理。街にはその専門店も沢山できていますし、書店に行けば、タジン鍋を用いたレシピ本が数多く出版されています。
タジン鍋とは、モロッコ地方の鍋で、どんがり帽子のような形状をした独特のものを指します。水が貴重な砂漠では、この鍋が重宝するようで、とんがり帽子状の蓋を伝わり、蒸気が食材に降り注いでしっとりと仕上がり、食材の旨みを逃さないという特徴があるようです。ひとつの鍋で蒸す以外に、焼いたり、炒めたり、煮たりという作業もできるので家庭でひとつ持っておくと便利。最近は流行により、価格も安くなってきたので、求めやすくなってきました。
今回はこのタジン鍋を使った料理と、土鍋や蒸籠(セイロ)を用いたものを提案したのですが、これらはそのまま食卓へ出せるので、簡単な料理でも華やかに映ると思います。
蒸し料理のいいところは、油を使わないのでとってもヘルシーな点。栄養分も残りやすいですし、野菜もたっぷり食せるので、健康志向の強い人にはバッチリ。秋から冬へかけては次第に身体が冷え込むようになってくるので、身体を温める働きがある根菜類や、栄養価の高い黄緑色野菜を用いて蒸し料理をするのがいいでしょう。
調理のポイントとしては、水から蒸さずにいったん火を入れて沸騰させてから素材を蒸すこと。食材に香りづけをしたい場合は、お湯の代わりにトマトスープやコンソメスープを敷いてもいいですね。じゃがいも、にんじん、かぼちゃなど火の通りにくいものから順に入れ、葉ものやブロッコリーは蒸している途中で投入するようにしてください。