いつもの料理を少しヘルシーにする工夫コラム
vol.32
2013年6月30日
カロリーオフのものや糖質カットしたものが商品化され、健康ブームはますます加速気味になってきました。飲食店のメニュー表を見てもカロリー表示したものがあるなど、やはり世間では健康に気づかう人が増加していることがわかります。そこで今回の特集では、定番の料理を素材や調味料、料理方法を代えることで、いつもよりヘルシーになるようにメニューを考案してみました。
カロリーの高い牛肉を鶏肉に代えるのはよくあるパターンですが、今回の唐揚げは、高野豆腐を用いることで、鶏肉を揚げた時に有す独特の食感を持たせています。高野豆腐は、精進料理によく用いられる食材で、保存食として我々も常時使っています。それにしっかり調味料を吸わせて揚げることで、なんともいえないほど鶏肉に類似した食感が得られるのです。高野豆腐は低カロリー、高タンパクな食材で、コレステロールを下げたり、鉄分を補う働きもあるそうです。これならダイエット中の人もいいかもしれませんね。
鶏の唐揚げの話が出たところで少し鶏肉について述べておきましょう。鶏肉はもも部分よりも胸肉の方がヘルシーです。でも我々日本人はどうしてももも肉を好む傾向があり、ついついそれを買ってしまいます。逆にヨーロッパでは、もも肉より胸肉の方を好む傾向があるそうです。鶏肉を焼く時は、皮の方を下にして弱火でじっくり焼く方がヘルシーに仕上がります。低温でじっくり火を入れ、全部脂分を出す感覚で皮がパリパリになるまで焼くのがいいのです。そうすると、同じ鶏肉でもカロリーが低くなります。
「豚肉の烏龍茶煮」では、脂のある豚ロース肉を煮豚のように烏龍茶で煮込みました。烏龍茶と脂っこい料理は、相性がいいことはすでにおわかりでしょう。いっしょに飲むのもいいですが、時にはこのように調理素材のひとつとして使ってみてはいかがでしょうか。脂濃い豚の塊肉も烏龍茶で煮込むことで後味さっぱりに。さらにコクと香ばしさが肉の表面に移って深みのある仕上がりになります。烏龍茶を使ったものではしゃぶしゃぶもいいかもしれません。いつものダシに肉をくぐらせるのも美味しいのですが、烏龍茶を沸かし、くぐらせると、肉の臭みもなくなるばかりか、食した時に口内がさっぱりします。その他、牛肉の下味に烏龍茶を用いるのもひとつの手。しょうゆ、みりん、酒などの調味料と合わせ、炒める前に下味をつけておくと、さっぱりと美味しく仕上がります。
今回の4品のように少し素材や調味料を代えるだけでもヘルシーな料理が出来上がります。牛肉を鶏肉に、鶏もも肉を胸肉に、ごはんを豆腐にと、色んなアレンジを加えながらいつもの料理を少しずつヘルシーなものへ変身させてください。