常備菜を活用することで、忙しい毎日に変化をコラム
vol.54
2016年9月26日
■ポイントは、いかに防腐効果を持たせるか
最近は、常備菜というフレーズをよく耳にします。書店でも数多くの常備菜関連の本が並んでおり、時流に合わせた一種のブームといってもいいくらいです。昨今は働きながら家事も行う方が多くなっており、とかく時間は貴重。常備菜を持っておくことで、すぐに一品が出せたり、それを用いることで調理の時短ができたりと、便利な素材であることには疑いようがありません。
常備菜を辞書で引くと、作り置きのおかずや、普段から用意しておく副菜と記されています。日持ちするおかずを作っておき、冷蔵庫や冷凍庫で保存して時間の余裕がない時に活用するのがいいようです。
時間がある時に作ったり、調理時に少し多めに作っておくと、あと一品が欲しい時に便利ですし、アレンジすれば違う料理に変身させることもできるのです。今回、紹介する中にグリル野菜のハニーマスタードあえがありますが、このような野菜を主とした料理を保存しておくことで、肉や魚の付け合わせにもできますし、生野菜にトッピングすれば豪華なサラダのように映ります。野菜不足が叫ばれている現代ですので、なおさら活用のしがいがあると思われます。
常備菜を作る際の注意点は、何で防腐効果を持たせるか。酢やレモン汁はその効果がありますので、酸味を付けながら活用するのがいいでしょう。砂糖・しょうゆも同じで、味を濃くする=日持ちさせる意味があるのです。調理する時は過熱をしっかりと。それに常備菜は、空いている時間に作るので、あまり手抜きせず、きちんとしたものを作るよう心がけましょう。だしの素は便利ですが、それよりは昆布・鰹節できちんとだしをとったもので調理する方が、後々味の面で活用しやすくなるはずです。できあがった常備薬は、アルコールスプレーや熱湯で消毒した保存容器に入れて保蔵庫へ。使った素材にもよりますが、大抵は3日間ぐらいの保存が標準的です。ちなみに今回の常備菜では、レモンなます、なめたけひじき、グリル野菜のハニーマスタードあえが3日間ぐらい冷蔵庫で保存可能です。ソースチャップそぼろも同様に3日間持ちますが、これは冷凍が可能。ジッパー付き保存袋に平たくして入れて冷凍しておけば、後で使いたい分量だけ割って取り出せるので便利です。
■常備菜で料理にアレンジを
今回は4つの常備菜の作り方を記し、それを保存。時折り、それらを用いてアレンジの効いたメニューを作ってもらおうと、さらにもう一品の作り方を載せました。その中でもバインミーはベトナムの屋台で見られ、本来はニョクマム(魚醤)で作るもの。さすがにそれでは家庭にないだろうと思い、比較的入手しやすいナンプラーを代用して調味しました。使用するフランスパンは、パリパリのものよりは、柔らかめのタイプの方が食べやすいでしょう。
なめたけひじきを用いたパスタは、なめたけひじきに大根おろしとレモン汁を含ませ、まったり仕上げるために卵黄を足してソースにしました。ソースもそうですが、カリカリ梅をトッピングすることで和風色を強調しています。和風ですので、スパゲッティがなければ、そばで代用してもいいでしょう。
グリル野菜のハニーマスタードあえで作るチキンソテーは、シンプルなグリルチキンに甘酸っぱいハニーマスタード味の野菜を合わせたもの。そのまま付け合わせに添えてもいいのですが、白ワインを振って蒸し焼きにすることでハニーマスタードの風味が鶏肉に移ってより美味しくなります。隠し味にしょうゆが入っているのでコクが出て、味わい豊かな一品に仕上がります。
最後はソースチャップそぼろで作る坦々なすそぼろ。カットしたなすの上にこの常備菜を載せてレンジにかけるだけの簡単料理。ソースチャップそぼろが蓋の役目をし、なすが蒸されていきます。3分間なじませるのがコツで、その間に蒸しなすに常備菜の味が染みます。仕上げに胡麻ドレッシングをかけるとまろやかになり、味が締まります。
同じおかずを2日間続けて出すのに抵抗がある場合は、常備菜をアレンジして出すといいでしょう。例えば、ひじきの煮ものを2日目にはコロッケに混ぜたり、玉子焼きに入れたりすることで前日とは違った料理が楽しめます。さつまいもやかぼちゃ、豆などの甘煮は作り置きしておくと便利。これらをクリームチーズやアイスクリームと混ぜるだけで、一風変わったデザートが出来上がります。香りづけにブランデーをかけると、さらに美味しくなりますので、ぜひ試してみてください。
とにかく現代人は忙しく、時間に追われることもしばしば。そんな時に役立つのが常備菜なので何品か作り置きをしておき、調理のアレンジに使用してみるのがいいのかもしれません。