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病気の特徴と原因をよく知り、使う食材や調理法に工夫をコラム

vol.56

2016年11月24日

■食べる時や調理時に工夫をして摂取を控える

最近は「体のことが気になるので」と、ヘルシーな調理を心がけようとする人が目立ってきました。高血症、糖尿病、高脂血症は三大成人病とも呼ばれており、グルメな日本人の中にはその予備軍が多くいると聞きます。

中でも糖尿病やその予備軍により、血糖値を気にして食事をとっている方が沢山おり、そんな人はカロリーオフや糖質オフのものを購入する傾向があります。その証拠にコンビニでも糖質控えめのメニューが続々と登場しているのです。糖質制限という言葉を聞くことが多くなりましたが、これは糖尿病はもとより肥満傾向にある人に適切な食事をとる向きに使われるものです。そもそも糖尿病は、インスリンの作用が十分でないためにブドウ糖が有効に使われず、血糖値が高くなることをいいます(低血糖の場合もある)。厄介なのは、軽度の場合、自覚症状が現れないことが多い点。それに合併症に繋がるケースも多々あるのです。

糖尿病は生活の中で徐々に作られていきます。それにならぬためには、生活習慣の是正が肝心なのです。最大の敵は、やはり肥満で、そのためにはダイエットは欠かせない要因の一つです。

ダイエットというとすぐに、食べない、もしくはある単品を多く食べて太らなくするというケースがよく報じられていますが、そうではなく、やはりきちんと食事をとるのがベスト。ただ食事の初めに野菜サラダを食べるなどして血糖値の上昇を抑えるといった工夫を講じるべきでしょう。よく「野菜を食べなさい」との文章を見ますが、それらを食すことでビタミンやミネラルなどの栄養素や食物繊維を補給することができるからです。

野菜よりコントロールが難しいのは、肉類。霜降りの牛肉は、美味しいには違いありませんが、体のことを考えるなら、できるだけ赤身肉を選ぶ方がいいかもしれません。

血糖値を上げやすいものの代表は、炭水化物。日本人はご飯を主食にしていますので、どうしても炭水化物が過剰摂取気味で、血糖値が気になる人は、一日三食のうちで極端に食べ過ぎないよう気をつける必要があると思います。

今回のレシピの中で“糖分控えめ”の所に、ライ麦パンを用いたのもその工夫。一般的なパンだとどうしても糖質制限には引っかかってしまうので糖質を控えることができるライ麦パンで「スモーブロー」を作りました。ライ麦パンは、堅くてどっしりしており、食パンより少ない量で満足感が得られます。GI値(血糖値の上昇のスピードを表す)も食パンが91に対してライ麦パンは58しかなく、糖質の吸収が穏やかなようです。

今回の「こんにゃくの酢豚風」は、まさに酢豚もどき。こんにゃくをいったん冷凍し、水分を絞って片栗粉を付けて炒めることで見ためにも、食感的にも豚肉を食べているような錯覚を覚えます。こういった工夫もカロリーを気にしている人には必要ではないでしょうか。


■だしを摂ることで塩分を控え、乳製品を活用してプリン体オフを目指す

高血圧が気になる人は、やはり塩分摂取を控えねばなりません。塩分の摂り過ぎは、高血圧症はもとより、心臓病や脳卒中の原因にもなるので気をつけてください。

対策としては色んなものがありますが、今回の「バルサミコきんぴら」のように酢を使用するのも一つの手。このレシピでは、バルサミコ酢は煮詰めることでしょうゆの役割りを果たしますので、塩分は少なくて済みます。他の料理でも酢を少しプラスすることで塩味を引き立たせてくれる役割が生じ、少ない塩で調味できるようになります。殊に煮込み料理に酢を加えると、コクもアップする効果が得られます。

塩分摂取を少なくするには、昆布や鰹節、煮干しでしっかりだしをとること。市販の顆粒だしは塩分が多いものがあるので、天然の旨み成分を活用する方が効果的です。きちんとだしをとれば、後から加えるみそやしょうゆの量を控えることができるため、自ずと塩分は抑えられます。

一方、高脂血症や痛風の原因になるのが、プリン体の摂取。プリン体は体の中で生成、分解されるものですが、排出能力を超えてしまうと、体内に蓄積されて痛風の原因になります。煮干しや干ししいたけ、鶏レバー、真いわしの干物などはプリン体が多く、それを気にする人には不向きな食材です。逆にチーズ、魚肉ソーセージ、白米、もやし、いくらなどはプリン体が極めて少ないものなのでとっても大丈夫です。

プリン体は、ほとんどの食品に含まれているので摂取しないことは不可能です。むしろ体に溜めこまないことが大事になってきます。きのこや海藻類は尿をアルカリ化し、尿酸の排出を助ける働きを有しています。「ほたてと白菜の白みそグラタン」にも使いましたが、乳製品はプリン体が少なく、尿酸を排出する働きがあるので、気になる人はそれらを調理に用いた方がいいかもしれません。

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