ほとんど年中手に入る、身体にいい栄養成分を多く含む健康食材!コラム
vol.27
2012年6月11日
アスパラガスは、ヨーロッパでは2000年前にはすでに食用にされていたそうです。原産は南ヨーロッパからウクライナにかけてで、ユリ科の多年草です。アスパラガスの語源はギリシア語の「たくさん分かれる」や、「激しく裂ける」からきており、その名のとおり地下に根に細いいものような貯蔵根がたくさんあります。それに蓄えた栄養でひとつの株から若芽が何本も伸びてきます。多年草なので、種をまいた2〜3年後から10年ぐらいまで収穫をすることができます。
日本には江戸時代にオランダ人によって伝えられましたが、その頃は茂った葉を鑑賞するのが目的でした。食用としては、大正時代に北海道で栽培が始まっています。
アスパラガスは雌雄異株なので、雄株と雌株があり、雄株の方が太めで美味しいアスパラガスが収穫できるといわれています。収穫率を上げるために、雄株のみができる品種の改良も行われていますが、現在はまだ実際に花が咲くまで、株の雌雄を見分けることはできません。アスパラガスには、普段よく目にするグリーンアスパラガスと、初夏のほんの短い間だけ出回るホワイトアスパラガスがあります。これらは別の品種のように見えますが、同じ品種で、育て方の違いで色が変わります。グリーンアスパラガスは、貯蔵根から出た若芽をそのまま育てますが、ホワイトアスパラガスは若芽に光があたらないように、高さ25pほど盛り土をして育てます。そして盛り土の表面から芽が顔を出さないうちに根元から切り取って収穫してしまうのです。だから黄白色をしています。最近は、初夏に生のまま北海道から少量空輸され、ほろ苦い独特の風味を楽しむことができるようになりました。しかし、未だにほとんどは缶詰用です。
グリーンアスパラガスは一年中出回り、簡単な調理でも美味しく食せ、料理の彩りとしても映えることから近年人気が高まっています。国内産は、群馬産が年初から出回り始め、その後長野、福島、北海道と産地が北上していきます。秋から2月頃は国内産がほとんどなくなることから、オーストラリアやメキシコから輸入されています。最近では野生種の細長いアスパラガスや、紫色のものなど、変わった種類のアスパラガスも出回っているようです。
アスパラガスは野菜のわりにはたんぱく質が比較的多く、新陳代謝を活発にし、高血圧予防、体力回復が――。それに美肌に効果があるアスパラギン酸も含んでいます。このアスパラギン酸という名称は、アスパラガスからその成分が発見されたことによるものです。これに加えてグリーンアスパラガスには、カロテン、ビタミンB2、食物繊維も豊富に含まれています。
最後に、美味しいアスパラガスの選び方を――。グリーンアスパラガスは、緑色が濃くて穂先までしっかりと締まってまっすぐ伸びた、切り口がみずみずしいものを選びましょう。根元の方は表面が堅いことが多いので、根元から1/3〜1/2の辺りまではピーラー(皮むき)を使って薄くむくといいでしょう。さあ、今夜はアスパラガスをたっぷりと使って、イエローエプロンズのレシピでお楽しみください。