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懐石料理?会席料理?コラム

vol.22

2011年10月17日

 懐石料理とは、本来、茶事に伴う食事を指します。禅語の薬石にちなんで、温めた石で空腹をしのいだのが本来の成り立ち。ですから私達が日本料理店でよく食べる懐石料理は、本当は「会席」の文字をあてはめるべきなのです。しかし、現代では「懐石料理」と「会席料理」が同じ意味として扱われているため、今回の特集のタイトルも本来の意味に反してはいますが、あえて「懐石」の文字を用いることにしました。

 ちなみに会席料理とは、酒を楽しむ食事のことを言うそうです。本膳料理や懐石料理をアレンジして江戸時代後期から会合や宴会の料理として用いられるようになりました。そのため懐石料理がご飯を主体としたものになっているのに対し、会席料理は酒が主体となっているようです。そういった意味ではサントリーのサイトなので、本来は「会席料理」と記すべきかもしれませんね。
 この手のコース料理は、どうしてもきちんとした店で味わうのがいいのでしょうが、たまには頭を切り換えて家庭で楽しむのもいいのでは…。家庭で食す場合は、いつもの和食とは違って用いる食材や器、小物で季節感を出すことが大事です。料理も一度に出すのではなく、料理屋に倣って一品一品楽しむことにしましょう。少し手間でしょうが、そうすることでいつもの食事が少し華やぐはず。お酒を楽しむためにも料理を出す間隔を考えながら提供を。食べ終わってもすぐに次の皿を出さずに、少しお酒を味わう時間を設けてください。

会席料理の雰囲気を出すためにも品書きを添えるのも一案。今回はあえて料理名に漢字を用いたのも日本料理店のムードを醸し出したいがため。提供する時も、皿を重ねて使ったり、皿の下に和紙を置くだけでも十分その雰囲気が出ると思います。それに紅葉や南天など身近にある葉や枝を使って演出するのもいいようですね。盛り付けはできるだけ上品に。たくさん盛り付けないようにしましょう。このようにして和食を作り、出していけば、自宅でも懐石(会席)料理が十分楽しめると思いますよ。

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