料理の世界もボーダレスの時代コラム
vol.24
2012年2月2日
色んな国の料理や食材、調味料がこれだけ紹介されてくると、必然的に料理の世界もボーダレスになってしまい、アイデア溢れる創作料理が数多く誕生してきました。そもそも料理や食材は、次第に伝播していくもので、和食だって、中華料理や西欧料理の影響を受けたものがいっぱいあります。私たちが何気なしに食べている和風ハンバーグもそのひとつ。デミグラスソースをてりやきソースに変えることで、洋の一品が和食の味わいに近づきました。タラコスパゲッティもその代表ですし、醤油ベースのパスタやかつおだしベースのパスタだって洋に和のエッセンスを加えた料理です。パスタは洋から和へアレンジしたものが多く見られます。有名なところでは、かつて喫茶店で一世風靡(いっせいふうび)したナポリタンがあります。それに大阪・北新地で生まれた渡り蟹のスパゲッティや名古屋で誕生したあんかけスパゲッティも和製パスタの代表です。
逆に和食を洋食にしたものでは、カリフォルニアロールが有名ですね。これはロサンゼルスのリトル東京で生まれたもの。「東京会館」のオーナー・小高大吉郎さんが寿司職人だった真下一郎さんに命じて作ったと伝えられています。カリフォルニアロール自体は、たらばがにとアボガドをマヨネーズであえた巻き寿司なのですが、外側に海苔を巻くのを外国人が嫌がったために内側に海苔を巻いて作ったそうです。一般の巻き寿司とは逆の形になり、外側がごはんになっているんですね。それにごまを振って仕上げています。後(1980年まで)にこれがカリフォルニアロールと名づけられたようです。
今回の料理は、てりやきソースにバルサミコ酢を加えたり、焼きそばをパスタに代え、トマト風味にすることで洋風にしました。例えば、かつおだしをコンソメスープに、サラダ油をオリーブ油に代えたりすることや、チーズをトッピングすることで、簡単に和食を洋食に変化させられるのではないでしょうか。もし食卓にマンネリ化が訪れていたなら、このようにしてアレンジを楽しみながら創作してみるのもいいと思いますよ。