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疲れた身体には、すっぱい料理が合う!コラム

vol.33

2013年8月5日

●梅干しは医者いらずの食材
 暑い時季は、なぜだかすっぱいものを欲してしまいます。一般的に酸味の成分には、クエン酸や酢酸が含まれており、それらを摂ることで乳酸を体外に排出する働きがあるそうです。だから暑い日が続き、身体に疲れが出始めると、すっぱいものを食べなくなるのでしょう。

 すっぱい食材として頭に浮かぶのが梅干し。梅干しは医者いらずといわれ、離島の多い沖縄県では消費量が多いそうです。これはかつて医療施設が整っていなかった島の知恵として梅干しが活用されたから。日頃から梅干しを食すことで少しでも健康になろうと考えていたのです。梅干しを食べると、口内に唾がたまりますが、これによって口内が殺菌されるのです。また、すっぱいものを食べると、味覚が刺激され、唾液や胃液の分泌が促進されます。つまり、すっぱいものは食欲増進効果もあるということです。

●梅干しソースでとんかつをさっぱりと…
 今回紹介したメニューは、酸味と甘みを合わせたものが多いのですが、疲れている時は誰しもすっぱいものや甘いものを求めがちになるのであえてそのような料理を紹介することにしました。中でも「ミルフィーユとんかつ さっぱりおろし梅酢ソース」は夏バテに効果的な料理。とんかつは、脂っこくてこってりしたものと相場は決まっていますが、今回のように梅干しを加えたポン酢で味わうと、さっぱりと食せます。ポン酢はとんかつソースと違ってさっぱりするのは当然でしょうが、さらに梅干しが加わることにより食欲が刺激され、暑い日でも美味しく食せるようになります。ごま油とすりごまが入っているので、ツンと来る独特な酸味もなく、まろやかなソースに仕上がっています。

 この料理は、薄切り豚肉をミルフィーユ状に重ねて揚げています。通常の豚肉だと、叩いて柔らかくする必要があるのですが、薄切り肉なのでその手間もなくて便利。重ねた豚肉の間に空気が入り、柔らかくジューシーに仕上がります。夏バテ気味でパワーをつけたい、されど脂っこいものを欲しない、そんな時にこそ作ってほしい夏向きのとんかつです。

●柑橘類の香りと酸味が味の世界を広げる
 和洋中と、料理のジャンルが異なれば、すっぱさのつけ方も変わってきます。和食では、やはり酢を混ぜることが多く、酢みそ、酢じょうゆ、二杯酢、三杯酢、土佐酢、甘酢…と色んなものがあります。今でこそポン酢は全国的に広まっていますが、一昔前までは関西以西の調味料でした。’90年代後半、近畿地方の消費量は、首都圏に比べ、2.5倍もあったそうです。これは、ポン酢の材料である柚子、かぼす、すだちの産地が関西・四国・九州に集中していたから。柑橘系の
芳香と酸味が味の世界を広げると考え、西国では多用されていたそうです。

 今回のレシピ取材時にフードコーディネーターの小泉麻衣子先生に手作りポン酢の作り方を教わりました。小泉流は、濃口しょうゆ5、柑橘類の絞り汁3、酢2、みりん1、だし昆布0.1、かつお節0.1の割り合いで混ぜるそうです。混ぜたものを3日ほど寝かせ、昆布とかつお節を取り出せば出来上がり。柑橘類にはだいだい、柚子、かぼす、すだち、レモンなど好みのものを使ってほしいとのことでした。
 最近はソムリエならぬ、酢ムリエが登場し、やおら活気立つ酢市場。料理に使うだけではなく、水や牛乳で割ってジュース感覚で楽しむのも流行のようです。

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