チョコレートを渡すばかりが、バレンタインデーの過ごし方ではありませんコラム
vol.43
2015年1月27日
■外国ではメッセージとともに花を贈る
バレンタインデーの起源は、古代ローマ時代にあった女神・ユノの祝日です。ユノは結婚と出産をつかさどる神として崇められ、2月14日には、このユノの祭りやルペルカーリア祭が行われていたそうです。この祭りでは若い女性が壺の中に自分の名前を書いたものを入れ、男性がそれを引き当てると、祭りのときのパートナーになるとの決まりがあったようです。この仕来(しきた)りは、長い間続くのですが、ある時、皇帝が士気を高めるため若い兵士の結婚を禁止しました。それでも司祭・バレンティヌスは、色んな迫害の中で、結婚式を取り行っていたと伝えられています。ところがそれが皇帝にばれてしまい、バレンティヌスは269年2月14日に処刑されてしまったのです。
ユノの祝日から続いた壺から名前の書いたものを引き、いっしょにその日を過ごすというスタイルは、徐々に風紀が乱れて行き、祭り自体がなくなっていたのですが、その代案としてキリスト教の聖人を祀る祭りが開催され、その聖人に269年2月14日に処刑されたバレンティヌスが選ばれたことから、以来、2月14日は恋人同士が互いの想いを記したメッセージカードを贈る日となっています。ヨーロッパやアメリカでは、メッセージとともに花束を贈ることが一般的になっていますが、なぜか日本ではそれ(花束)がチョコレートに代わります。1936年に神戸の某お菓子メーカーが英字新聞「ジャパンアドバタイザー」に「バレンタインデーにはチョコレートを」という広告を載せたのがきっかけです。但し、それが一般的に普及されるのはおそらく1960年代終わりから70年代に入った頃ぐらい。30年以上の歳月を経て、その広告がようやく日の目を見たといえます。
■演出付きで食卓を飾る
このように日本では、バレンタインデーにチョコレートを贈る風習が当然のように存在しています。それもいいことなのですが、チョコレートが苦手な男性からは「別のものをプレゼントしてよ」とか、「色んな所で沢山チョコレートをもらうので、他のもので愛情表現してもらう方が嬉しい」といった声を耳にします。そこで今回は、チョコレート以外で、バレンタインデーに作りたい&贈りたいメニューをご紹介!バレンタインということでスイーツと料理を2つずつにしていますが、スイーツは甘さ控えめで大人の味にしました。この中でお気に入りのものを選んで大切な人へ作ってあげてはいかがでしょうか。
諸外国が花束を贈る習わしがあることから今回の料理もそれにちなみ、バラの花びらをスモークサーモンや生ハム、きゅうりで表現してみました。ここではポテトサラダにそれを載せていますが、和食派にはこの花びらの作り方を応用して?花束のちらし寿司”を作ってもいいですよ。
パエリアは、どちらかというと飲食店で食べるメニュー。家庭ではあまり作らないようですが、実は簡単にできるのです。フライパンやホットプレートでもできますが、ここは一年に一度の告白の日なので本格的なパエリア鍋を買って食卓にドーンと出したいものです。そうすると見た目も豪華で、サプライズ感満載。「こんな難しそうな料理ができるの!?」と、感心されること間違いなしです。材料に使用する米は、粘り気のあるコシヒカリよりは、あっさりしたササニシキがオススメ。あらかじめ洗ってしまうと、水分を吸ってしまうので、スペインのように米は洗わず、そのまま用いる方がいいでしょう。油で炒めると、米がコーティングされて仕上がりがパラパラになり、美味しく出来上がります。サフランは高級品なので、なかなか使いづらいという人は代用品としてターメリック大さじ1を使うと、同じような色に仕上がります。尚、今回のレシピは鍋の大きさも考えて少し多めに作っています。家族4人で食べる時もこの材料で十分間に合いますよ。
バレンタインデーは演出も大事。赤やピンクはこの日にふさわしい色なので素材にいちごを使ってみたり、鮮やかな色彩でテーブルコーディネートしたり、ハンバーグやコロッケをハート型に作ってみたり、いつもとちょっと変えるだけで、雰囲気も違います。ぜひ試してみてくださいね。どこかにチョコレートを盛り込みたいという人は、「モーツァルト」のリキュールでカクテルを使ってみるのはもちろん、ビーフシチューなどに隠し味としてチョコレートを入れるのもひとつの手。
2月14日、何を作ろうか悩んでいた方は、ぜひ今回のレシピでお料理上手をアピールしてくださいね!