食事に添えたい!ワイン感覚で楽しめる梅酒コラム
vol.60
2017年2月28日
■待ち望んでいた甘さ控えめの梅酒
梅酒は家庭でも漬けている人がいるために我々の食生活に深く入り込んでいるリキュールといえます。歴史を辿ると、その発祥は定かではありませんが、もしや日本が起源ではと思わせる文献に出合います。一説では江戸時代ではと見る向きもあって元禄期に出された「本朝食鑑」にはその作り方が記されているようです。同書には「痰を押さえ、食欲を増進させ、体内の毒を分解して喉の痛みを鎮める」と掲載されており、梅酒が身体にいいことが挙げられています。
2003年頃から起きた梅酒ブームは、同酒の持つヘルシー要素が影響したのは事実。甘口で口あたりがよく、柔らかい味わいがウケて女性中心に広がっていきました。ただ、人気的要素の強い甘みは、料理には合いにくいとされ、ソーダや水で割ることでその役目を果たしていた向きもあります。そのため食事の際に梅酒で一杯飲みたい人は、この甘みを抑えたものが出て来ないかと密かに期待していたと語る人もいるくらいです。
今回、発売された「食事においしい ごちそう梅酒」は、その期待を裏切らないもの。旨味たね製法なる新製法によってじっくり漬けた梅の種から旨味成分を抽出。梅本来の味わいはいかしつつ、甘さを抑えた味になっています。同酒には「しっかり芳醇」と「すっきり淡麗」との二種があり、前者は、トロピカルフルーツやハチミツを思わせる香り。梅の風味もしっかり感じられます。これは赤ワインのように肉料理にフィット。ソースを用いた濃い味付けにも負けません。「すっきり淡麗」は青りんごのような爽やかな香りと、甘さを抑えたすっきりとした味が特徴。白ワインが魚に合うように魚料理にフィットした梅酒といえます。「しっかり芳醇」「すっきり淡麗」ともに甘さを抑えているので食中酒として十分通用するものになっているのです。
■芳醇は赤ワイン感覚で、淡麗は白ワインのイメージで
「レシピッタ」で特集のレシピ制作を担当するフードコーディネーターの小泉麻衣子さんは「ワインを飲むようなオシャレ感覚で愛飲して欲しい」と言い、「しっかり芳醇」は、肉料理と合わせるのがベターで、ソースをかけたものにはマッチするそうです。「しっかりした味のローストビーフはもとより、唐揚げ、コロッケ、とんかつ、ハンバーグに合い、中華料理では麻婆豆腐やチンジャオロースなどとの相性がいいですね」との感想も。一方、「すっきり淡麗」は、刺身やカルパッチョ、チキンソテーと相性がいいと指摘。淡麗と記されているから薄味のものに合うだけというわけではなく、えびチリなどにもフィットすると話しています。「やはりその個性から魚料理に合うと言えますね。かまぼこ、ちくわ、はんぺんのような練り物系ともいいので和食の時に飲るのもオススメかも…」と教えてくれました。
元来、梅は古くから料理に用いられてきた歴史があってその酸味で味にメリハリをつけたり、さっぱりさせたりする役目を持っています。この傾向を見ると、梅酒とて甘さが控えめであれば、食事といっしょに楽しむことができるはずで、合わないわけはないのです。
前出の小泉さんは、「食事においしいごちそう梅酒」を飲んだ感想として「ともに甘さを控えめにしているのがよく、これならソーダや水で割らなくても大丈夫」と言い、ロックで飲むスタイルを薦めています。「しっかり芳醇は、口内に梅酒の香りが残るのが個性。けれど後に引かないので食事に合うんですよ。すっきり淡麗の方は、そのネーミング通り後味がすっきりしているのがいいですね。これまで梅酒の甘さが嫌だった人でも十分美味しく味わえると思いますよ」と語っています。
ボトルは、ペットボトル使用ながらも一見、瓶と見紛うような雰囲気を有しており、これなら食卓にデンと置いてもオシャレ感はあるでしょう。ワイングラスに注ぎ、氷を入れてロック感覚で食事といっしょに楽しむのがおすすめです。